All Saints day:聖人になれるように
ダファーダー・ドミニク
11月はクリスマスと新年に向けて準備を始める時期です。カトリック教会では、11月にいくつかの祝祭日や記念日があります。諸聖人の祝日、死者の日、王であるキリストの祝日など重要な祝日は全ての人に「聖性」への道を歩むよう呼びかけています。
“あなたたちは聖なるものとなりなさい。あなたたちの神、主である私は聖なるものである”(レビ記19、2)。11月1日は諸聖人の祝日です。キリスト教においてこの日は深い意味を持っています。それは、私たちが聖なる神の姿を持っているので、聖なるものになりなさいと言うことです。諸聖人たちは私たちの兄弟姉妹です。諸聖人は神に信頼して、聖なる生涯を送ってみんなの模範になりました。そして彼らはこの世の歩みを終えて、今は天国で神様と一緒にいらっしゃいます。諸聖人というとイエスの模範に倣い、父なる神を完全に信頼し、福音によって生活した人たちです。
この祝日において重要なのは、神が洗礼を受けたすべての人に聖性という賜物を与えているということです。この特別な日を祝うことは、今日までカトリック教会によって認められてきた聖人を記念するだけでなく、洗礼を受けたすべての人のために祝うことです。諸聖人は、洗礼を受けた私たちみんなに聖人になる可能性があることを思い出させます。
カトリック信者でない人にとって、聖人は超人とか、特別な力を神からもらった人のように見えるかもしれません。しかし、聖人になる力は洗礼の秘跡です。洗礼を受けた皆は神の子になり、神の愛と恵みで満たされ、神の証人としてこの世を過ごします。そして、神様のもとに行くのです。
洗礼を受けた人は皆、カトリック教会が認める聖人の名前を持っています。洗礼の際、聖人の名前が与えられます。それにより聖人によって守られ、聖人の生き方が模範となるわけです。さらに、諸聖人は、人間が神から離れた時、守ってくださることがあります。聖人たちの生活の中に私たちは模範を見いだし、聖人たちの祈りの中に私たちは助けと友情を受け、神から託された使命を果たすことができます。今、神のもとにあるすべての聖人たちは、世界中のすべての人のために祈り続けています。 “お前たちは、私が飢えていた時に食べさせ、のどが渇いていた時に飲ませ、旅をしていた時に宿を貸し、裸の時に着せ、病気の時に見舞い、牢にいたときに訪ねてくれたからだ“(マタイ25、35-36)。諸聖人の日には、聖人たちの生き方に倣い、イエスの教えを生きるように志を新たにしましょう。また、困難に直面しても、神への信仰を持って生きていきましょう。
*「巻頭言」は、カトリック雪ノ下教会、教会報「ひびき」掲載記事から転載しています。(広報部)