「イエスのインフルエンサー」― 聖カルロ・アクーティス 「若き聖人に学ぶ現代の信仰の証し」
ダファーダー・ドミニク
カトリック教会において2025年は特別な年、すなわち「聖年」です。この期間中、教会全体で様々な行事や記念が行われています。その中でも、私にとって最も心に残る出来事は、9月7日に教皇レオ14世によって二人の若き福者が列聖されたことでした。すなわち、ピエル・ジョルジョ・フラッサーティ(1901–1925)とカルロ・アクーティス(1991–2006)です。いずれもイタリア出身であり、若くして神への信仰に生き抜いた人物でした。
今回の巻頭言では、「イエスのインフルエンサー」と呼ばれるカルロ・アクーティスをご紹介いたします。カルロは1991年にロンドンで生まれ、2006年に白血病のためわずか15年の生涯を閉じました。彼の人生は短いものでしたが、イエスを何よりも愛し、日々のミサや祈り、特に聖体礼拝を通してイエスと共に歩み続けました。その信仰は家族に大きな影響を与え、教会から離れていた両親や親族をも神に立ち帰らせるきっかけとなりました。
またカルロは幼い頃からコンピュータに強い関心を抱き、その才能を福音のために用いました。「自分にできることは何だろう?」という問いを常に心に抱きながら、世界中の聖体の奇跡を紹介するウェブサイトを作成しました。それは今もなお、多くの人々の信仰を深める助けとなっています。裕福な家庭に育ちながらも、カルロは困っている人を見れば惜しみなく手を差し伸べ、愛をもって寄り添いました。その優しさと力強い信仰は、周囲の人々を光で包みました。
カルロは「太陽の前では日焼けするが、イエスの前では聖人になる」と語りました。この言葉は、彼が日常の中でいかにイエスを深く信頼していたかを雄弁に物語っています。カルロの生涯は短くとも、その証しは時代を超えて響き続けています。私たちもこの聖人に励まされ、日々の生活の中でイエスを証しする「インフルエンサー」となり、互いに信仰を支え合って歩んでいけますように。
*「巻頭言」は、カトリック雪ノ下教会、教会報「ひびき」掲載記事から転載しています。(広報部)