巻頭言

8月の巻頭言

マリア様の「はい」という答え

ダファーダー・ドミニク

8月15日はマリア様の被昇天のお祝い日です。私たちはカトリック信者として喜びを持ってこの日をお祝いします。この聖母被昇天の祝日は、マリア様が生涯の終わりに肉体と霊魂の両方をもって天に召されたことを記念するためにあります。1854年の12月8日に教皇ピウス9世は「無原罪の御宿り」についての教義を宣言しました。この教義で宣言されたこととは、マリア様が神の特別の恩寵によって守られているということです。マリア様は罪のない存在として生を受けた存在なのです。

聖書において「私は主のはしためです。お言葉どおり、この身になりますように」(ルカ1:38)とあるように、神様へのマリア様の答えである「はい」を通して私たちは救われました。この「はい」によってマリア様の使命が結ばれました。神から受けたマリア様の使命への「はい」とは、神の御子であるイエス・キリストをこの世に産むことでした。この特別な使命を受けたマリア様は、全生涯を通して信仰と従順の模範を示しました。イエス様が生まれてから十字架につけられて死に、そして復活されるまでの間、マリア様は神様の計画に対して従順でした。

このマリア様が直接答えた「はい」は、神の母であることだけでなく、教会の母、つまり私たちの母になることでもあります。マリア様は教会の母でおられます。ヨハネの福音において、イエス様は十字架の上から愛した弟子と自分の母に対して「これがあなたの母です」「これはあなたの子です」(ヨハネ19:26-27)とあります。イエス様が仰った言葉によって、マリア様はイエス様が建てられた教会すべての母になりました。イエス様の私たちへの最後の贈り物……それはご自身の母マリアでした。イエス様はその生涯の最後に、ご自分の母を教会に託されたのです。それは教会がマリア様の世話をし、マリア様に対して愛と信仰をもって神の道に歩んでほしいという意味でもあります。神の子である私たちに対して、マリア様も母性的な関心を持って私たちの世話をし、救いの旅へと導いてくださいます。これはマリア様の答え「はい」によって私たちにどんな時も明らかにされていることです。「私たちには、決して見捨てない母親がいます。」

また、私たちの母であるマリア様は、無原罪の母なのです。罪は私たちの祖先アダムを通してこの世に入り込みました。しかし、母マリアによって私たちは救われたのです。神様の計画によって一人の女性エヴァが私たちを罪へと導き、もう一人の女性マリアの「はい」という返事を通して私たちを救われました。ですから、マリア様に習って、マリア様の生涯における信仰、模範、従順に従って私たち一人一人が信仰に生き、正しい道を歩んでいきましょう。

*「巻頭言」は、カトリック雪ノ下教会、教会報「ひびき」掲載記事から転載しています。9月号休刊のため、次回は10月に更新させていただきます。(広報部)